「最近ブレーカーがよく落ちる」「エアコンを増設したら容量が足りない」「IHやEV充電器を導入したい」── そんなとき検討するのがアンペア(契約容量)の引き上げです。
ただし、戸建てだからといって「簡単に上げればOK」ではありません。 配線(幹線・分岐線)の太さや分電盤の余力を無視して容量アップを行うと、発熱・焼損・火災のリスクが潜みます。
この記事では、戸建て住宅でアンペア変更を行う際の具体的なリスクと対策を、Repair-zが現場で行っている点検・施工手順を交えてわかりやすく解説します。
🧭 戸建てならではの「自由度」と「落とし穴」
戸建て住宅のメリットは、電気契約や設備更新の自由度が高いこと。 管理規約や共用部の制約がないため、自分の判断で50A・60A以上への契約変更も可能です。
しかし、以下の3つの“落とし穴”には要注意です。
- 🧵 幹線(メーター〜分電盤)の容量不足 → 細いケーブルのまま契約を上げると、発熱・被覆劣化の危険。
- ⚙️ 分電盤の定格容量オーバー → 主幹ブレーカーや端子が上限を超えて焼けることも。
- 🧯 接地・絶縁の劣化 → 古い家では絶縁抵抗が低下し、漏電ブレーカーが頻発。
つまり「自由にできる=責任も自分にある」ということ。 適切な確認と施工を行えば、安全に容量アップして生活の快適度を劇的に改善できます。
🔍 ステップ1|まずは現状把握:どこまで上げられる?
戸建てのアンペア変更では、まず「現在の電気設備の余力」を把握することが大切です。
- 📄 現在の契約アンペア:検針票 or 分電盤の主幹ブレーカー表示(例:30A・40Aなど)
- 🧵 幹線の太さ・材質:VVR・IVなどの種類と断面積(2.6mm²・5.5mm²など)を確認
- ⚙️ 分電盤の定格:60A/75Aなどのラベルを確認。古い盤は容量アップ非対応の場合も。
- 🛡️ 漏電・絶縁チェック:絶縁抵抗測定器(メガー)で0.1MΩ以上を確認。
Repair-zでは、これらを無料の写真診断+現地点検で測定し、「このまま契約変更可能か」「工事が必要か」を明確にしています。
⚡ ステップ2|幹線の太さと安全限界をチェック
幹線とは、メーター(電力量計)から分電盤までをつなぐ“電気の大動脈”です。 ここが細いまま容量アップすると、過電流で被覆が溶けたり、最悪の場合発火します。
| 幹線の断面積(mm²) | 安全な目安容量 | 備考 |
|---|---|---|
| 2.6mm² | 〜30A | 旧住宅で多い。40A以上は危険。 |
| 5.5mm² | 〜50A | 標準的。60A化にはギリギリ。 |
| 8mm²以上 | 〜75A | 容量アップ対応可。EVやIHに最適。 |
ケーブルの種類(VVF・CVなど)や配線ルート(屋内・露出)でも許容電流は変わります。 迷ったら、専門業者に電流測定+熱画像診断を依頼するのが確実です。
🧰 ステップ3|分電盤の限界を知る
容量アップ時に最も多いトラブルが、分電盤(主幹)の定格超過です。 古い住宅では30Aまたは40Aの主幹がついており、これを超える契約に変更する場合は盤交換が必要になります。
特に注意すべきポイント:
- 🧯 ブレーカー本体に「30A・40A」と刻印がある → それ以上の契約は不可
- 🔌 分岐ブレーカー数が不足 → 回路分割を行うことで安全に対応可能
- 🧾 分電盤自体が15年以上前 → 絶縁材の劣化・端子焼けの恐れあり
Repair-zでは、既存盤の再利用可否を即日判断し、交換が必要な場合も最短半日で完了します。
🔋 ステップ4|ブレーカー・配線・アースの一体点検
容量を上げる前に、ブレーカー・配線・接地の状態を必ずチェックします。
- 🧠 主幹ブレーカー:定格A/遮断容量/型式(漏電・過電流保護あり/なし)
- 🧵 分岐配線:断線・スリーブ不良・被覆の焼け・曲げ癖など
- ⚙️ 接地抵抗:100V系で10Ω以下が望ましい(旧家では接地なしの例も)
- 🌡️ 端子温度:サーモチェッカーで過熱箇所を検出
これらを怠ると、容量を上げてもブレーカーが頻発したり、ショート・誤作動の原因になります。 安全診断を行えば、後から高額な修繕費がかかるリスクを防げます。
🪛 ステップ5|必要に応じて「専用回路」を追加
容量アップを機に、キッチン・洗面・リビングなどの専用回路を見直すのがおすすめです。
- 🍳 IHクッキングヒーター:専用20A回路推奨
- 🧺 洗濯乾燥機:15〜20A専用回路
- 🧯 浴室乾燥・食洗機:15A専用回路
- 🚗 EV充電コンセント:30〜40A専用回路
専用回路を追加することで、全体容量アップ+負荷分散の両立が可能になります。 工事時間は通常2〜3時間、費用は1.8〜4.5万円/回路が目安です。
📈 実例で学ぶ:容量アップの成功ケース
事例①:築25年・30A→50Aに変更
キッチンとエアコンで頻繁に遮断。 Repair-zが幹線と分電盤を確認→5.5mm²配線で50Aまで安全と判断。
主幹交換+スマートメーター契約変更で完了。停電時間は45分。
費用:約3.8万円/以後ブレーカー落ちゼロ。
事例②:築30年・配線劣化で60A化見送り
EV充電を見据えて容量アップ希望。 調査で幹線が2.6mm²と判明し、過熱リスクのため50Aに留める提案。 後日、幹線改修+60A化を実施。安全性を優先した判断。
事例③:新築5年・オール電化+太陽光
電力会社kVA契約に切替。
幹線・分電盤とも余裕あり、70A相当まで対応可。 Repair-zが契約変更+専用回路追加で最適化。
⚠️ 注意!やってはいけない容量アップ3選
- ❌ ブレーカーだけ大容量に交換する → 幹線・端子が非対応のまま発熱事故に。
- ❌ 無資格者のDIY施工 → 電気工事士法違反。事故時の保険適用外。
- ❌ 盤内で他回路を寄せて誤配線 → 漏電・短絡・異常発熱の危険。専門業者に任せるべき。
容量アップは「資格+測定+確認」が三位一体。 Repair-zでは、電気工事士が現地測定→安全範囲を明示→施工まで一括対応します。
🧮 費用と期間の目安
- 📟 契約変更のみ(スマートメーター遠隔)…無料〜数日
- 🧰 主幹交換+契約変更…2〜4.5万円/30〜90分
- 📦 分電盤交換+回路整理…3.5〜8万円/半日
- 🧵 幹線改修(メーター〜盤)…5〜10万円/半日〜1日
- 🔌 専用回路追加…1.8〜4.5万円/2〜3時間
これらをセットで行うと、安全+快適+再発防止のトリプル効果が得られます。
🙋 よくある質問(Q&A)
Q1. 戸建てなら誰の許可もいらない?
はい。持ち家であれば電力会社への申込みのみで契約変更可能です。 ただし、分電盤・幹線の適合確認は必須です。
Q2. どこまでなら「契約変更だけ」で済む?
分電盤・幹線が安全範囲内(例:5.5mm²以上で50A対応)なら、工事不要で遠隔変更可能です。
Q3. 60Aを超える契約は可能?
可能です。ただし電力会社の契約プランが「従量電灯C(kVA契約)」に切り替わり、 幹線・ブレーカー容量の適合確認が必要です。
Q4. 容量を上げたら電気代は上がる?
基本料金は上がりますが、実際の使用量が同じなら従量料金は変わりません。 頻繁な遮断で家電が再起動を繰り返すより、省エネ効果が上がるケースも多いです。
🏁 まとめ:戸建ては自由度が高いからこそ「測定と確認」が命
戸建ては自由に契約変更ができる一方、配線・分電盤の限界を超えると一気に危険になります。 大切なのは、安全余力を測定してから上げること。 Repair-zでは、現地診断〜契約申請〜施工までワンストップで対応し、最短即日で容量アップ+安全保証を実現します。
「うちもそろそろ上げたいけど大丈夫かな?」という方は、まず写真診断から📷
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